経緯
調整力&交渉力が高い人がとても眩しい。欲しい。
— S式戦士キャンタマン (@valvallow) October 25, 2013
調整力ってか交渉力あると仕事も人生もすげー捗るんだなーという実例を普段から見ているので影響されている
— S式戦士キャンタマン (@valvallow) October 11, 2013
交渉とかそういう方面の良い本ないかなーなどと探すとアレ系のアレな感じの意識だけは高そうな本ばっかでレビューとか見るとほんとアレな感じでまともな本 is どこ
— S式戦士キャンタマン (@valvallow) October 11, 2013
交渉じゃなくて外交で調べると面白そうな本が出てくるな
— S式戦士キャンタマン (@valvallow) October 11, 2013
例えば、他者とのスケジュール調整や、納期の話し合い、入居/退去時の不動産屋とのやり取り、ご近所トラブル、勧誘、買い物、転職、打ち合わせ、プレゼン、どれも実は交渉や説得なんだな。日常の中で交渉力がものを言う場面は多い。交渉力があれば味合わずに済んだ苦い経験、結構あるわ。
交渉力があると人生もっと捗りそうなイメージ。例えば、弊社社長、交渉力が高いから一緒に仕事すると案件が終始めっちゃスムーズ。社長や上司の交渉力が高いお陰でデスマにならないし、残業も発生しない。毎日定時退社。ソフトウェアベンダーとしては珍しいと思う。普段から社長や上司を観察してるけど、なかなか真似できない。経験の差ってのはわかってるんだが。
一応書いておくと、交渉によって目指す結果はwinwin。言いくるめたり、無闇にゴネたり、強引に押し切るって話じゃない。それは交渉ではないと思う。理想はこちらの要求を叶えつつ、相手が「得をした」「良い結果を勝ち取った」というような感想を持って自らYesと言うこと。難しければ、最低限、双方にとって不本意な結果を避けるようにしたい。
自分は営業ではない。プログラマであり、SEなんだけど、営業的なことをやる機会もあるし、お客さんや他社と調整するし、サポートで現地に行って人とやり取りするしで、結局は「楽するために交渉力が欲しい」のだった。
本題
で、掲題の本の話。両方ともとても有名な本。影響力の武器は、これまでに何度か読んでいるんだけど、先日もう一度読み直した。その後、プロパガンダを買って読んでいる。両方とも「業務で営業やマーケティングをやっているなかでも意識高い系の人」が読んでそう。でも内容は別に意識高い系ではなく、とてもまとも。無用な煽りなどはない。
プロパガンダは、評判通り影響力の武器と内容かぶりまくり。かぶりまくりなのにすごく面白い。お互いがお互いを補っていて、これはペアで読んだ方が良いと思う。「あ!これ、影響力の武器で言ってた一貫性の話だ!」みたいな。交渉や説得に興味なくても、防御のために読む価値がある。
どんな本なのかは、この辺をみるとわかると思う。
- 何故やり手のセールスマンや新興宗教はあそこまで人を惹きつけることが出来るのか?~三分で読める【名著】影響力の武器~ - Togetter
- 悪用厳禁!「プロパガンダ」: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
とにかく僕らは簡単に影響を受けてしまうわけだ。簡単に説得されちゃう。
われわれは「正しい持ち物」を購入することによって、お気に入りの著名人のように「なる」。そうすることで、自分自身の自我を強化し、自分の不完全さを合理化するのである。 --プロパガンダ P.107
「ハッカーと画家」読んでLisp始めたり、有名なプログラマがスゲーと言ってたの見てSICP買ったりなので、テレビで「ダイエットにはバナナ」と聞いてスーパーに走る人を笑えない
— S式戦士キャンタマン (@valvallow) November 30, 2011
さて、本の構成としては、影響力の武器の方が各章末にまとめがあって嬉しい。プロパガンダは、影響力の武器より読みやすい。両方とも事例(実験とか統計とか)がたくさん乗っていて、そこが特に面白い。ただ両方ともなかなか分厚い。
余談
実は、評判が良かったので、この本も読んでみた。
結構参考になったんだけど、上の2冊に比べるとすごくライトな本。よく見るとアマゾンのレビューも評価は高いけど、なんかアレな感じ。前半は基本的なことの説明で少しクドい。なかなか退屈。ただし、例題は面白い。退去費用の交渉の話とか、近所の工事現場に対する苦情の話とか。
前半読んでると、もう読むのやめようかなーと思えてくる。我慢して読むと、前半の内容を踏まえての後半が面白い。とくに三章「こんなとき、どうするか」がすごく面白い。目次を抜粋。
- 相手の方が強かったらどうするか
- 相手が話しに乗って来なかったらどうするか
- 相手が強硬に主張したとき
- 相手が汚い手口を使ってきたらどうするか
これはこれで読んでよかったかなと思う。
余談2
先日読んだ、言葉と思考って本も少し関連があると言えばある。
ほんで、プロパガンダの次はこれを読もう、と思って買っといたのがこれ。
プロパガンダと一緒に買ったんだけど、プロパガンダ読んでたら引用されてて笑った。
結論
こういう本を読んだからといって、すぐに交渉力は上がらない。間違いない(体験)。ただ、実際の交渉の現場に居るときに、今何が起こっているのかがわかるようになる。なぜ相手がみるみる説得されているのかがわかるようになる。それに、過去に自分が行った交渉の問題点に気づくことができる。これ多分すごい重要。
なぜうまくいかなかったのか、どうすればよかったのか。なぜ自分は不本意な説得に応じてしまったのか。もっと交渉の余地があったんだ、って。
以上、けっこう真面目に書いたけど、読んで面白いから暇つぶしにオススメ。
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