2014/03/22

世論<上>

1922年刊。古い本なので文体も古く、なかなかに読みづらかった。だけど、プロパガンダに近いものがあり、興味深く読んだ。

著者は、「ステレオタイプ」って言葉を作った人。

巻末「解説」P.294

かれはまた、イメージをつくる際に人間がある種の固定観念をもつことによってイメージが左右されると説き、それを「ステレオタイプ」と名づけた。つまり、ステレオタイプが確固としている場合、人びとの関心はステレオタイプを支持するような事実に向かい、それに矛盾する事実から離れやすいのである。

P.208

頭脳的訓練が少なければ少ないほど、同時に注意をひく二つの物事には因果関係があるという理論を考えつきやすい。

P.209

われわれがその情報をいかに理解するかは、われわれのステレオタイプによって大きく左右される。われわれの推論に役立つ証拠は、防御、権威、倫理、空間、標本抽出などについての錯覚に支配されている。ここでわれわれが注意しなければならないのは、このように初めから汚染されている世論というものに、さらになお陥穽が待っているということである。なぜならほとんどがステレオタイプを通して見られている一連の物事の中で、われわれは連続性とか類似性を因果関係に相当するものとして受けとりがちだからである。

P.118

わたくしたちは不思議なことに、自分の着ている衣服に影響をうけます。衣服は精神的社会的雰囲気を作り出します。どうしてもロンドンの仕立屋でなければという男がアメリカ精神を説いたって、どんな希望が託せるでしょう。

著者の日本についてのイメージうける。 P.96

それでは「日本」という語はどうだろう。「黄禍」にかこまれた、目じりの上った黄色人種の漠とした一群、写真で選ぶ花嫁、扇子、サムライ、万歳、美術、桜などであろうか。

下は、どうするかな。読むには十分な睡眠と気力が必要なので、読む気にになってから買った方が良さそうだ。

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