最近はこの辺を参考にしている。
2014/03/27
「ゲームとしての交渉」
当たり本だった。この著者の文章は好きです。文章に対して「軽妙な語り口」とは言わないんだろうけれど、この本はそんな感じ。リズムが良い。
内容もとても良かった。下関講和会議、ポーツマス条約、山下・パーシバル交渉、東郷平八郎が対馬海峡でバルチック艦隊をやぶった話など、特に例題が面白かった。お陰様で、下関講和会議のことが書かれている陸奥宗光の日記「蹇蹇録」を読んでみたくなった。興味のなかった分野に、興味が湧いてしまう本ってのは、とてもいいなあ。
20年前の本だけど、まったく古さを感じなかった。交渉や外交の本の内容は、出版の新旧にあまりこだわる必要がなさそうだ。そして、「りんご(or みかん)を求めう姉妹」「ピザの分割問題」の話は、やっぱり出てくるんだな(笑)だいたいどの本にも出てくる。それと、ハーバード大学のことも。「ハーバード流交渉術」のロジャー・フィッシャー教授の名前も必ず出てくる。
2014/03/22
プロテウス・オペレーション
686ページ。面白いしわくわくするけど長い。登場人物が多くて誰が誰だか覚えるのつらい。それに、当然なんだけど場面によってファーストネーム、ラストネーム、愛称で呼ばれるので、余計に誰のことかわかなくてつらい。
政治、戦争、軍隊、科学、量子力学、歴史改変、時間旅行、平行世界、とてんこ盛りなのもなかなかつらい。政治と歴史について、良く知っていればもっと楽しめたのかも知れない。
読むのに二ヶ月近くかかった。手持ちのホーガンSFは、量子宇宙干渉機 (創元SF文庫)があるけど、これも長いので、またいつか・・・。
世論<上>
1922年刊。古い本なので文体も古く、なかなかに読みづらかった。だけど、プロパガンダに近いものがあり、興味深く読んだ。
著者は、「ステレオタイプ」って言葉を作った人。
巻末「解説」P.294
かれはまた、イメージをつくる際に人間がある種の固定観念をもつことによってイメージが左右されると説き、それを「ステレオタイプ」と名づけた。つまり、ステレオタイプが確固としている場合、人びとの関心はステレオタイプを支持するような事実に向かい、それに矛盾する事実から離れやすいのである。
P.208
頭脳的訓練が少なければ少ないほど、同時に注意をひく二つの物事には因果関係があるという理論を考えつきやすい。
P.209
われわれがその情報をいかに理解するかは、われわれのステレオタイプによって大きく左右される。われわれの推論に役立つ証拠は、防御、権威、倫理、空間、標本抽出などについての錯覚に支配されている。ここでわれわれが注意しなければならないのは、このように初めから汚染されている世論というものに、さらになお陥穽が待っているということである。なぜならほとんどがステレオタイプを通して見られている一連の物事の中で、われわれは連続性とか類似性を因果関係に相当するものとして受けとりがちだからである。
P.118
わたくしたちは不思議なことに、自分の着ている衣服に影響をうけます。衣服は精神的社会的雰囲気を作り出します。どうしてもロンドンの仕立屋でなければという男がアメリカ精神を説いたって、どんな希望が託せるでしょう。
著者の日本についてのイメージうける。 P.96
それでは「日本」という語はどうだろう。「黄禍」にかこまれた、目じりの上った黄色人種の漠とした一群、写真で選ぶ花嫁、扇子、サムライ、万歳、美術、桜などであろうか。
下は、どうするかな。読むには十分な睡眠と気力が必要なので、読む気にになってから買った方が良さそうだ。
2014/03/08
本の探し方
本が好きな人って、いったいどこから自分の読みたい本を見つけてくるんでしょう? もちろん人それぞれだとは思いますが、純粋な興味として、隣の人のようすはついつい気になってしまう私です。 私の場合、店頭にならんでいるなかから気になるタイトルのものを見つけてきて買ったり、巻末の“参考文献”をたどってみたり、通勤中とかにふと降ってきたキーワードで検索して出てきた本をamazonで買ってみたりとかしているんですが、飛び道具としてたまに使ってしまうのが、「本のガイドブックを買う」こと。
そうそう、みんなどこから本を探しだしてくるんだろうか。参考文献は自分もよく参考にする。amazonのレコメンドと評価もそこそこアテにしてるけど、そこそこ程度にしかアテにならない。だから、ちゃんと勉強したい分野だったら、キーワード + シラバスとか、キーワード + 参考(図書|書籍)とかでググって、大学の講義で使われてる本を探す。その中でよさげな本があれば、タイトルで書評をググる。で、良さそうなら買う。中古で安いのがあれば中古を買う。
そういうのはいいんだけど、小説とかはススメられても好みが合わないとダメだし、なかなか難しい。あとは、購読してるブログの人が「面白い」って言ってる本は、ついほしい物リストに追加してしまうな。
2014/03/04
新・社会人、文章のことで先輩に注意されたらこの2冊な
さて、文章を書くのが苦手な皆さん。仕事でメールや報告書を書くようになったら、きっと先輩に
- 「長い」
- 「くどい」
- 「読みにくい」
- 「何が言いたいのかわからない」
- 「要点を絞れ」
- 「もっとわかりやすく」
- 「もっと簡潔に」
- 「結局、何のこと書いてんの?」
1冊目
タイトルに「数学」とあるけれど、数学自体は苦手でも大丈夫。解説には常に、文章の「悪い例」と、その「改善例」が示されるので、とってもわかりやすい。
「正確で読みやすい文章を書く心がけ」 をお話しします。 数式まじりの説明文が題材の中心ですが、 説明文を書く人ならどなたにも役立つ内容です。
索引まで含めて192ページ。薄いからサクっと読める。この内容でこの薄さってのがミソ。著者は数学ガールシリーズの人。
2冊目
本を読んで「すっごく面白かった!」としか書けない、僕のような人が読むべき本。
読みやすい文章はなぜ読みやすいのか?
リズムの良い文章とはどいういう文章なのか?
頭の中の「ぐるぐる」をどうやって文章に落としこむのか?
プロの文章書きである著者が、長年かけて身につけたノウハウを、ガンガン披露してくれる。小論文の対策やってる受験生にもオススメ。
「2冊も読みたくない」
だったら、どちらかといえば1冊目の「数学文章作法 基礎編」をオススメしたい。薄いし。
「読書だるい」
だったら