「Scheme修行」は先だって出版された「Scheme手習い」の続編です。
これらは「The Little Schemer」「The Seasoned Schemer」という、Lisp/Schemeの入門書として知られる2冊の翻訳本です。
Daniel P. Friedman and Matthias Felleisen
オーム社
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目次
訳者まえがきすでに「Scheme手習い」を読んだ方はご存知でしょうが、実際はこれがS式で書いてあります(笑)
序文
はじめに
11章 おかえりなさい、ようこそショーへ
12章 避難しましょう
13章 ホップ、スキップ、ジャンプ1
14章 名前をつけましょう
15章 大人と子供の違い……
16章 位置について、セット、バン!
17章 我変わる、ゆえに我あり!
18章 我変わる、ゆえに我同じなり!
19章 宝石泥棒
20章 店には何がある?
後序
索引
内容
『Scheme修行』は、カバーの像が牙を生やしていることからわかるように、大人のSchemerを目指すための本。
『Scheme手習い』が副作用のない安全な世界での話だとしたら、『Scheme修行』は代入やジャンプのような危険な世界でちゃんと生き抜く大人の態度を学ぶ話。
「Scheme修行」では、代入や継続について学びます。とくに継続(continuation)については、その強力さの一端に触れることになります。今後、継続の真の力を学ぶ上での足がかりになると思います。他にも「Scheme手習い」では出てこなかったif, let, letrecなどの基本的な要素についても学びます。もちろん「Scheme手習い」同様、さりげないやり取りにニヤニヤさせられます。
序盤は「Scheme手習い」で繰り返し繰り返し学んだ再帰の復習といったところでしょうか。ここでletrecが出てきます(letrecの登場シーンでフイタのは私だけじゃないはず)。この辺で出てくる「scramble」という手続きが印象に残っています。
中盤で代入と継続についてじっくり学びます。かなりのページ数が割かれており、ここがメインだと言って良いと思います。letやifもここらで出てきます。ここで再度Y combinator(今回はY!も)出てきます。なぜこうもY combinatorの話が出てくるかというと、こういう話もあるようです。
後半は、CPS(continuation passing style)や、Lispインタプリタの実装もあり、読み応えありです。「Scheme手習い」でも最終章でLispインタプリタを作りましたが、今回も作ります。もちろん今回学んだ継続や代入を取り入れたパワーアップしたインタプリタです。
「序文」と「後序」のGuy L. Steele Jr.の言葉も必見。
私は以前、The Little Schemer同様、原書を読んだのですが、やはり日本語で読む方がよく理解できて大変面白かったです。原書を読んだときには気づかなかったこともたくさんありました。
参考
あなたはまたLispも知る必要がある。
The Little Schemer と The Seasoned Schemerの練習問題を自力ですべて解ければ十分だと思う。
本家っぽいページ(著者の一人 Matthias Felleisen のページ?)に追加のエクササイズがpsファイル(35ページくらい)で置いてあったりします。。
最後に
なりましたが、初めて「献本」というものを頂きました。すごくうれしいです!今回、オーム社の鹿野さん(@golden_luckyさん)から査読?レビュー?のお話を頂きました。
私は「The Little Schemer」「The Seasoned Schemer」が大好きなので、こういった機会を頂いたことがとてもうれしかったです。
このような機会を与えて頂いたことに感謝いたします。ありがとうございました。
関連
MIT の教科書 "計算機プログラムの構造と解釈" (昔は構造と実行) を読む為の本だったそうである。
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