2013/12/31

読んでよかった本2013

月に2〜3冊程度しか読まないマンなので、そもそも母数が少ないけれど、書いておく。こうやって選んでみると、今年読んだ本は当たりが多かった。全部書くわけにもいかないので、「これは書かないわけにはいかないだろ!」というのを選んでみる。

順不同。

20歳の自分に受けさせたい文章講義

これはプロの仕業。実際プロの仕業。小手先のテクニックやtipsみたいな枝葉ではなく、レトリックの話でもなく、文章を書くためのズッシリとした幹についての講義。

あとがきに

本書の執筆中、何名かの友人にこんなことを聞かれた。「その本であんまり手の内をさらしてしまったら、みんなに真似されるんじゃない?」

とある。自分も読んでみて「ここまで丁寧に惜しげもなく披露しちゃうのか」と思った。と言っても、プロとしては押さえておいて当然の基礎なんだろう。基礎こそが大事なんだと思う。

高校2〜3年生の頃、大学入試のために小論文の指導を受けていた。四苦八苦だった。ホントその時の自分に読ませたい。というか、中高生にこういう授業必要だろ常考。今後も読み直す系の本。




「影響力の武器」と「プロパガンダ」

この2冊は特に外せない。説得、交渉の本。身を守るために読むと良いと思う。

影響力の武器 訳者あとがきより

社会心理学の研究は、どちらかといえば影響を与える側の立場から問題を扱うことが多い。しかし、本書では影響を受ける側の人々の心理やそうした影響力に対する対処法についても言及しており、この点でも貴重である。

プロパガンダ P.302 ペイソの子孫たち(ペイソ=古代ローマの説得の女神)

好むと好まざるとにかかわらず、われわれはペイソの子孫なのである。友人に「あそこのレストランは美味しい」とか「あのメーカーのステレオセットはいい」と言って勧めるときに、無意識のうちにその役割を果たす(ときには少し意識して行うこともあるが)。販売や法律や政治だけでなく、医学や科学や教育など多くの職業でも高度の説得術を必要とする。同様に、選挙の候補者や社会団体や慈善団体のために働く人は、自らの説得能力によって票を獲得し、請願のための署名を集め、寄付金を集め、情報を広める。実際にわれわれは、事物を誉めたり批評したりするとき、ある意見を弁護したり攻撃したりするとき、ある立場に賛同したり反対したりするとき、常に説得を試みているのである。

この2冊はペアで読んだ方が良いと思う。読む順は、影響力の武器を読んでからプロパガンダを読んだ方が良い。「影響力の武器」はそれぞれの影響力に名前を与えて、その名前ごとに章を分けてあるので解りやすい。章末にまとめがあるのも良い。

プロパガンダは「影響力の武器」の影響を受けているし、影響力の武器からの引用も多いので、「あ!これ影響力の武器で読んだ話題だ!」といったノリで読める。影響力の武器の補強として読むといいし、豊富な具体例が良い。




自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術

「自衛隊メンタル教官が教える」ってところに興味を惹かれた。自衛隊にそんな人がいんの?どんなことしてんの?って。

購読しているブログで「部下や後輩を持つリーダー向け」として紹介されていて、読んでみた。実際「疲れている当事者向け」というより、その上司や先輩向けの印象。ちなみに僕の心は疲れていないし部下もいない。

二十代前半の若いIT戦士にススメたい。この本を読んでいるとTwitterのTLで見かける人たちの顔が浮かぶ。反抗期のエンジニアを持つ諸先輩方も是非どうぞ。




貧困大国アメリカ

恐い。日本もこんな風にならなきゃいいけど。今回読んだのはシリーズ3作目の「(株)貧困大国アメリカ」。ⅠもⅡも読んだけど、やっぱりこのシリーズ面白いわ。今度は同じノリで日本のルポ書いてくれよ。




SF(幼年期の終わり、未来からのホットライン、断絶への航海)

SF、今年も何冊か読んだけど、この3冊がぶっちぎりに良かった。やっぱり、本の中の世界にどっぷり引きこまれて、帰って来れない感じがたまんないっすね。この3冊の中で、さらに一番を選ぶなら・・・未来からのホットライン。

「幼年期の終わり」は、いろんな有名作品の元ネタと言われてるんで、その意味では読んでおいて損はないかと。




プログラミング(入門UNIXシェルプログラミング、Land of Lisp)

今年はあんまり技術書を読んでないけど、この2冊はオススメできる。「入門UNIXシェルプログラミング」は、その名の通り入門書。Shell Scriptを書けるようになりたい人にとてもオススメ。基本から応用まで例題も多く、要所が押さえてあってわかりやすい。

Land of Lispはやばい。ゲームを作りながらCommon Lispを書けるようになる。説明が丁寧だし、このフザケた感じがとてもナイス。やばい。Lispエイリアン超かわいい。入門書としてもかなりいい感じなので、今後「Lisp始めたい」って人がいたら、この本をススメます。




まとめ

今年の読書は満足度が高い。この中で一番オススメしたいのは、影響力の武器とプロパガンダ。仕事でも日常生活でも重要なことなので、来年も交渉と説得の本を読みあさりたい。



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